劇場

『黄色い涙』

嵐総出演ということで「おいおい、アイドル映画かよ」と思っていたら、意外と面白かった。漫画家、小説家、歌手、画家をそれぞれ目指す四人の若者を中心として描かれた、青春映画。 夢だけは大きいものの、現状としては食うことにも困っているダメ人間ぶりが…

『オール・ザ・キングスメン』。

中盤がえらく冗長で、気を失ってしまった。最後のほうは伏線を生かした結末だったようだが(たぶん)、伏線を見逃しているので、どうしようもない。この記憶のなさは、見てないのと一緒だな。

『ハンニバル・ライジング』

中盤ややだれたけど、全体としては満足できる出来。『羊たちの沈黙』ほど完成度は高くないし、『レッド・ドラゴン』ほどスピード感はないけれど、これはこれで面白かった。もう少しグロいほうがよかったけれど。 若き日のレクター博士が、イケメンで武道の達…

『東京タワー』

まったく期待していなかったのだけれど、おもしろかった。ただ泣きの物語にするのではなく、随所に笑いを盛り込んでいるところがうまい。その笑いとの対比で、切なさが増す。この辺は脚本の松尾スズキの勝利か。 オダギリジョー、樹木希林、小林薫らのメイン…

『バベル』

『アモーレス・ペロス』、『21g』と僕好みの作品を描いてきたイニャリトゥ監督作品ということで、かなり期待していた。一丁の銃をキーとして、複数のエピソードが描かれるのは、一つの事故をキーにして描かれた、『アモーレス・ペロス』と似たような趣向。自…

『神童』

成海璃子演じる天才ピアノ少女と、偶然彼女と出会った松山ケンイチ演じるピアノ好きの青年の物語。 二人の恋愛模様盛り上げるでもなく、比較的淡々とストーリーは進む。こういったフラットなストーリーはキライではないのだけれど、この作品ではやや退屈して…

『龍が如く』

人気ゲームの実写版。 ゲームはやったことがないけれど、十分に楽しめる出来だった。基本的には、見せ場大目の漫画チックな展開なのだけれど、それが中途半端ではなくて突き抜けているところがいい。最終決戦の決着のつけ方には、さすがに唖然とした。ユーモ…

『フラガール』

松雪泰子と蒼井優の見事なダンスに感嘆。「花とアリス」における蒼井優のダンスを大画面で見逃した者にとっては、なかなか感慨深いものがある。脚本に奇抜さはないけれど、ストーリー展開はうまい。ユーモアセンスもあるし、伏線の張り方も巧みだった。あま…

『叫』

黒沢清監督のミステリ映画。牽引力と雰囲気は十二分にある。しかしミステリ的にみると、ややアンフェアな点が気になるし、仕掛け自体も有名作品の亜流でしかないのが残念。作品自体には力があるので、最後まで退屈せずに楽しむことができる。 葉月里緒菜はな…

『悪夢探偵』

奇妙な設定のサスペンスとしては楽しめたし、主人公の松田龍平のキャラもよかったです。 でも、「他人の夢の中に入ることができる」という設定はいまいち活かしきれていなかったような印象。あと、hitomiの演技がやや大根気味。それに、警察庁から警視庁へ異…

『不都合な真実』

地球温暖化に関するアル・ゴアの講演を軸にしたドキュメンタリ。 温暖化のしくみからわかりやすく説明してくれるため、ほうほう、と感心しながら見ることができた。北極の氷に含まれる気泡から、その年の二酸化炭素量がわかる、などということも知ることがで…

『ボビー』

名匠ボビー・バレンタインは、いかにして、弱小チームと呼ばれていたロッテ・マリーンズをパリーグ制覇に導いたのか。緻密な取材と詳細なデータに基づいたドキュメンタリー映画。 では、けっしてない。 ロバート・F・ケネディ暗殺の日を、「グランド・ホテル…

『幸福な食卓』

崩壊した家族の話、と聞いた時点で思い話かなあ、と思って敬遠していたのだけれど、実際に見てみるとそんなことはなかった。喰らい話にしようと思えばいくらでもできただろうけれど、そうはせず、むしろ飄々とした雰囲気で描ききったところに好感が持てる。…

『僕は妹に恋をする』

評判が散々なのは知っていたけれど、とりあえず見に行く。『blue』の監督さんだし。 正直、みんなが言うほどひどくはなかったかな。そもそも近親相姦は好きなテーマだし榮倉奈々はかわいかったし、テンポは悪かったけれど榮倉奈々はかわいかったし、ストーリ…

『バッテリー』

あさのあつこ原作の青春野球映画。 子供たちが皆いきいきしていて楽しめた。こういった類の作品は、いかにも「大人が考える子供目線」になりがちだけど、この作品は「子供目線そのもの」だったところに好感が持てた。女の子から自分がどう見られているのかを…

『リトル・ミス・サンシャイン』

7歳の娘をミスコンテストに参加させるため、ミニバスに乗り込んだ6人の家族を描いたロードムービー。 見事に負け犬ぞろいの家族はみなキャラクター立っている。道中、次々襲い掛かってくる困難の描き方がうまいし、伏線の張り方も巧みだった。***シーンに…

『どろろ』

原作に忠実らしいストーリー(恥ずかしながら原作は未読)は一本筋の通ったもので退屈させず、どろろと百鬼丸のキャラも立っている。特撮やワイヤーアクションもがんばってた。 ただ、尺がやや長すぎる印象。もう少し短くまとめてもらいたかった。設定説明が…

ストロベリーショートケイクス

仕事帰りに見に行きました。メンズデーだったので1000円。でもパンフが800円した。たけえな。 恋に仕事に悩みもがく4人の女性を描いた物語。 それぞれの日常が淡々と描かれているが、退屈はしない。台詞やナレーションを過剰に取り入れて「説明」する映画が…

『ラッキーナンバー7』

非常に凝った構成に作り上げられていて、感心した。 パズルのピースをはめ込んでいくような快感が味わえる。 ストレートに描いていれば、凡庸な作品にしかならない内容なのだから、やはり映画は見せ方(演出、構成)なのだと再認識したしだい。

『世界最速のインディアン』

バート・モンローという名の老人が自ら長年かけて改造したバイク、「インディアン」で世界最速記録を出すべく、ニュージーランドからアメリカのボンネビルを目指すロードムービー。 これ、傑作。 個人的には好きな映画ほど、あまり語りたくない。なぜなら、…