『怪奇探偵小説集2』

怪奇探偵小説集〈2〉 (ハルキ文庫)

怪奇探偵小説集〈2〉 (ハルキ文庫)

鮎川哲也氏が編纂したアンソロジーの第2弾。ほとんどが10数ページから20数ページと短いものばかりで、16編も収められています。もうおなかいっぱいになります。僕のお気に入りは甲賀三郎「悪戯」、水谷準『恋人を喰べる話』、蘭郁二郎『魔像』の3編です。特に蘭がいいです。よく知らない作家なのですが、巻末の解説によると「論理による謎解きにはほとんど関心を示すことがなかった」そうです。本格派じゃないって事でしょうね。残念。城戸シュレイダーという作家の作品も収められているのですが、巻末の解説で鮎川氏がつっこんでいるのが面白いです。以下反転。「城戸」が日本の姓で、「シュレイダー」がドイツ姓だから、姓が並ぶのはおかしい、というのですね。ほっといてあげればいいのに、とも思いますが(笑)。
しかし、パート1を読んだときも思ったのですが、これって怪奇小説集ではありますが、探偵小説集ではないと思います。定義が違うのでしょうか。よくわかりませんが、おもしろいからまあ、いいや(軽いな)。そうそう、喜国雅彦氏の『本棚探偵の冒険 (双葉文庫)』、『本棚探偵の回想』でも触れられていた、角田喜久雄の「底無沼」もこの本で読めます。