『念力密室!』感想

念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)

念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)

全編密室を扱った短編集。しかし、その密室がサイコキネシスによって構成されているので、トリック自体が問題にされることはありません。それよりも「どうして密室にしたのか?」や「誰がやったのか?」の方が問われて言います。HowよりもWhy、Whoの方ですね。
全体的には西澤ロジック全開といった印象。やや推理が性急過ぎるように感じられたり、論証が甘いのではないか、と思われる部分もあるのですが、それを補って余りあるほどの楽しさはあります。キャラクターも立っているので、十分に満足できる1冊でした。