『怪奇トリビア』感想

怪奇トリビア―奇妙な怪談傑作選 (竹書房文庫)

トリビア人気に便乗したようなタイトルですが、中身はカストリ雑誌などから選りすぐったB級怪奇作品集、といったところ。以下各作品にミニコメ。
『洞窟の魔女』
短い話なのに、ハードボイルドや怪奇物などいろんな要素を詰め込みすぎた作品。でもおもしろいす。
『物を喰べるお尻』
タイトルどおりでそれ以上でも以下でもないです。オチがあっけなさ過ぎるけど楽しめます。
『口が二つある男』
ホラー系のミステリ作品。まあ、オチはミステリを読みなれた人ならすぐに見当がつくと思います。
『神経電気』
唐沢俊一氏の作品。怪文書のつくり方がうまいです。
『ゴミ箱のなかの裸女』
何人もの女を拾ってくる男の話。これは集中もっともおもしろかったです。オチは弱すぎですけど。
『機械人間の狂恋』
あまりにくだらなく、強引な展開。でもおもしろい、おもしろいんだ！
『幽霊のいるぼくの部屋』
これも唐沢俊一氏の作品。ほのぼの系。
『からみつく蛸娘』
タイトルどおりタコのような娘の話です。これもオチが弱い。
『恐るべき美貌』
バカアメコミ。同人誌『恐怖の巨顔女』に掲載されているのと同じ作品なんで、そちらを持っている身としてはちょっと存した気分。
『涙は宇宙空間に輝く』
KKK団が黒人保護を訴える女性を陵辱、虐待しまくるというただそれだけの作品。でもなぜかラストは壮大なスケールに・・・。


ここまで書いてわかるとおり、傑作ぞろいとはとてもいえないアンソロジーですが、どれも味のある作品ばかりです。