『2005年に読んだ海外ミステリベスト10』

1. 『シャム双生児の秘密』エラリイ・クイーン
2. 『アブナー伯父の事件簿』M.D.ポースト
3. 『九時から五時までの男』スタンリイ・エリン
4. 『試行錯誤』アントニイ・バークリー
5. 『法廷外裁判』ヘンリ・セシル
6. 『死の殻』ニコラス・ブレイク
7. 『兄の殺人者』D.M.ディヴァイン
8. 『ある詩人への晩歌』マイクル・イネス
9. 『自宅にて急逝』クリスチアナ・ブランド
10.『キャンティとコカコーラ』シャルル・エクスブラヤ


1.はいまさら国名シリーズかよ、と言われそうですが、初読なのだからしかたありません。上質のロジックとタイムリミットサスペンスの要素がうまく絡み合った傑作です。
2.は熱い男の本格ミステリ。読んでるほうまで熱くなります。
3.は奇妙な味の短編集。どの作品もお気に入りばかりです。
4.ユーモアと皮肉に満ちた作品。伏線の張り方もうまいです。
5.冤罪モノでありながらもまったく暗くならないユーモアミステリ。それでいてひねりもきいています。
6.設定自体はありがちなのですが、意外性に富んだラストに驚きます。
7.しつこいまでに繰り返される仮説のスクラップアンドビルドは圧巻。かなり唸らされる真相が待っています。
8.中盤まではやや退屈だったのですが、そこからクライマックスへ向けて怒涛の展開が始まります。
9.キャラクターたちがそれぞれ個性的で面白いです。バカミスっぽいトリックも○。
10.ミステリ的には薄味ですが、正直最も楽しめたのはこの作品。ユーモアミステリの傑作です。