『死の殻』感想

死の殻 (創元推理文庫)

死の殻 (創元推理文庫)

一部反転してます。正直、あまり期待せずに読み始めたのですが、予想をはるかに超えて面白かったのでびっくり。
脅迫状を受け取ったオブライエンは自宅で開催されるクリスマスパーティに護衛として探偵、ナイジェル・ストレンジウェイズを呼ぶ。動機を持つ招待客が集まる中、オブライエンは実際に殺害され・・・。という結構ありがちな設定。しかし、文学作品の引用を多用するなど、凡百の本格ミステリとは違った味を見せています。ラストにはかなり驚くのですが、それまでの伏線がしっかりしているため、意外性に富んでいるにもかかわらず十分に納得できるところがすごいです。個人的にはメモが指し示す人物を誤認させているところなんかとても気に入っています。堪能させていただきました。