『兄の殺人者』
- 作者: D.M.ディヴァイン,D.M. Devine,野中千恵子
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1994/01/01
- メディア: 文庫
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これは面白かった。以上! ってわけにもいかないので感想を。大々的なトリックを使っているわけではないので、地味な印象を受けるかもしれません。しかし全編を通じて一人称の主人公が仮説のスクラップアンドビルドを繰り返す姿は圧巻。そして、最終的に明らかになる事実によって、緻密な伏線とそれによって構築される論理が明らかになります。これにはかなり唸らされます。作中で主人公が抱いていた違和感もすべて納得の行くかたちで解決されるのもすばらしい。訳も読みやすいです。まーべらす。