『聯愁殺』

聯愁殺 (ミステリー・リーグ)

聯愁殺 (ミステリー・リーグ)

見ず知らずの少年から殺されそうになった女性。少年の身元はすぐに割れ、事件は解決するものと思われたが、意外や迷宮入りしてしまう。そこで女性は、「恋謎会」に事件の解決を依頼する・・・。
いやあ、面白かったです。今年今まで読んだ中では(ってまだ1月だけど)一番ですね。内容はいわゆる『毒入りチョコレート事件』方式。冒頭に謎が提示され、後はすべて解決シーンという具合です。このシステムは貫井徳郎氏の『プリズム』でも採用されていますが、『聯愁殺』のほうがより近いかたちで踏襲されています。中盤の論理のスクラップビルトはいうまでもなく、ラストに明かされる結末にうならされます。最後のほうに余剰ともいえるエピソードが加えられているのですが、これを書いちゃうのが西澤氏なんだろうな、と思いました。