『パズル』

パズル (ハヤカワ・ノヴェルズ)

パズル (ハヤカワ・ノヴェルズ)

パズル業界関係者の連続殺人事件が冒頭で語られるが、その後はほとんど、パズル界の動きに文章が裂かれている。これは本当にミステリなのか? と疑問を持ったまま最後まで読んでいくと、そこで思いもよらなかった「絵」を見せられることになる、奇妙な作品。やろうとすることは奇抜で面白いのだが、それをうまく描ききれていないような印象は受けた。しかし、そのいびつささえも愛したくなる。変な話が好きな人には向いているだろう。バカミスという一言で切って捨てたくはない一品だ。
なんにせよ、やはりフランス人は変なことを考える。