『それでもボクはやってない』

試写会に誘っていただき、視聴。
痴漢冤罪をテーマにした作品。とにかく重い。
無辜の青年が突然痴漢として逮捕され、警察や検察からの厳しい取調べを受け、起訴されてしまう過程は痛々しさすら覚える。
これが誰にでも起こりうる出来事なのが怖い。電車になんか乗りたくなくなってしまう(普段乗らないけど)。

日本の痴漢裁判や裁判官自身の問題についても、鋭い指摘がなされている。有罪率99.9%という驚異的な高さを誇る日本の刑事裁判の裏側が、透けて見えたような気がした。

正直、好きなタイプの作品ではなかった。140分超の尺も長いと感じる。それでも、観客を引き付ける吸引力は只者ではない。気楽に楽しめる類のものではないけれど、見たらきっと強い印象が残る作品だと思う。