『犬神家の一族』

試写会に誘っていただき、視聴。
金田一老人の事件簿」だの「いまさら犬神家かよ」だの文句ばっかいってたのですが、見始めるとあっさり引き込まれてしまいました。
映画の出来と言うよりは、原作の力ですね、やっぱ。
ミステリ的には「本陣」や「獄門島」が上だと思うのですが「犬神家」はやはり派手。見立て殺人は見栄えがするし、人が次々死ぬし。おもしろす。
横溝作品ではこれ(と八つ墓村)が映像向きでしょう。
しかし、やっぱ金田一は年寄りすぎな気が。ていうか、全体的にもう少し若いキャスティングにしたほうがよかったと思います。奥菜恵はいい女優になってきたなあ。最後の方いなくなってたけどw 深キョンはやはりかわいかったす。松島菜々子は相変わらずきれいだけど、年取ったなあ。
(以下ネタばれ)
ひとつ引っかかったのは、最後の佐清(静馬)殺害の見立て。あの有名な、湖から足が突き出たシーンですね。原作ではあれは「スケキヨ」を逆さにしているので「ヨキケス」となり、上半身が湖に隠れているため「ヨキ(斧)」となるという見立てでした。
しかし映画では「斧」で頭を割られ、湖に投げ捨てられたことになっていました。原作の稚気にあふれた遊び心がまったくなくなってしまっていますね。しかも、実際に斧で頭を割ったのであれば、湖に突き立てる必要もないわけですから。
以前のバージョンもそうだったか、記憶が確かではないのですが、ちょっと残念でした。