【本格評論の終焉(5)】

相変わらずの論点のずれ、自分に都合の悪い意見は無視、反論してきたベテラン作家等には何のリアクションも返さないのに探偵小説研究会の若手は名指しで批判、絶対的な教養主義。オモシロス。


(5)笠井氏が「ミステリマガジン」などの討論の場を設け、ムチで尻を叩かなければ、評論家は例によって、無視やだんまりという手段に逃げていただろう。「何事も論じるつもりはない」とか、「反論は受け付けない」などの捨て台詞を吐いた者さえいたくらいだ。議論を避けて、頭から逃避する姿勢が何とも悲しく、愚かである。

とあるけれど、それは大先生が論戦を繰り広げる相手としてふさわしくないから、そう判断しただけでしょう。なにせ、どんな意見を言われようとも結局は自分の尺度でしか判断できず、そこから外れているほうが間違っているという考え方なのですから。


そもそも本格しか読まないといって横山秀夫の『臨場』を読まずに本格ミステリ大賞に投票しなかったくせに(そのわりにはなにか意見だけは書いて送ったようですが)、『容疑者X』を読んで本格ではないと騒いでいるのはナゼなのでしょう。本格ではない作品を読まないのなら『容疑者X』も読まなければいいだけの話だったのでは? 読まないと本格であるか否かわからない、というのであれば『臨場』も読むべきだったでしょう。
かように安易にダブルスタンダードをとる人間の意見を信用できるはずもありませんね。