『びっくり館の殺人』感想

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

全体的に小粒な印象。しかし、伏線の張り方や恐怖の煽り方に綾辻らしさを感じることは出来ました。それにしても、この挿画は怖すぎます。子供の頃読んでいたらトラウマになりそうです。
以下ネタバレ。
最終的にオカルト風味の結末を迎えているところがなんとも綾辻らしいと言えるかもしれません。たとえば麻耶雄嵩だったら、こどもの悪意をどろどろ描いたことでしょう。どちらがいいとは言い切れませんが、個人的にはオカルト的結末は都合が良すぎるような印象を受けないでもないです（二重否定）。<追記>
いや違うか。俊生の中に巣食った梨里香が操っていたと言うのはあくまで三知也の主観でしかなく、それが真実だとはいえない。穿った見方をすると、三知也にそう思い込ませるために俊生がそう仕組んだとも考えられます。「Help us!」のメッセージも三知也をミスリードする目的だったのかも・・・。