『QED〜ventus〜熊野の残照』感想

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)

今回の舞台は熊野。あまりなじみのないテーマのせいか、あまり入り込めず、歴史認識のアクロバットによる意外感もあまり感じませんでした。ミステリ部分の仕掛けも、シンプルに過ぎます。ただ、タタルがあかす歴史的事実から現代の事件の真相に気づく、という絡ませ方はなかなかうまく、好感が持てました。それでもやはり、全体的にやや物足りない印象。これでQEDシリーズも10作目なので、目も肥えてきて贅沢になってしまっているのかもしれません。
それにしても、いつも思うのですが、シリーズキャラクターだからといって小松崎を無理やり登場させなくてもいいのではないでしょうか? 強引過ぎる気がします。