『野獣死すべし』感想
- 作者: ニコラス・ブレイク,永井淳
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/01/01
- メディア: 文庫
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第1章は息子の復讐をたくらむフィリクスの手記形式。第2章からシリーズ探偵のナイジェル・ストレンジウェイズが登場します。伏線が緻密に張られていたり仮説のスクラップアンドビルドが繰り返されたりと、本格ミステリとしてかなり楽しめる出来になっています。またキャラクターも強烈。特に老婆がすごいです。絶対そばにいてほしくないw
もっとも感心したのは殺害計画と思われていたものが、実は言質をとるための行動だった、というところ。このずらし方はうまいと思いました。
法月綸太郎の『頼子のために』がこの作品を意識して書かれたと言うことがよくわかりました。派手さはないけど、堅実に作られた作品です。ニコラス・ブレイク、まだ2作しか読んでいないのですが、かなり気に入りました。これからも読んでいこうと思います。