『変身』感想
- 作者: フランツカフカ,Franz Kafka,中井正文
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1968/11/01
- メディア: 文庫
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「変身」
朝目覚めると巨大な虫に変身していたグレゴールと、彼を取り巻く家族の物語。
これは学生時代に読んでいたつもりだったのですが、よく思い出してみるとそのときは最初の方で挫折しているので、実質初読。結構エンターテインメントしているのが意外でした。文章も読みやすいです。虫としての悲哀と、人々の心の変化が緻密に描かれています。ラストのさりげなさも良かったです。
「ある戦いの描写」
非常にとらえどころのない作品。うまく把握できないまま物語が進むのですが、それが不快ではないところがいいです。つげ義春の「ねじ式」のような作品といえばいいでしょうか(内容はまったく違いますが)。酩酊感を味わうことが出来る一作です。