『バスジャック』感想

バスジャック

バスジャック

「二階扉をつけてください」
わけのわからないまま二階扉をつけなければならなくなった主人公。おかしなことばかりなのに淡々と対応しているところがおもしろいです。
「しあわせな光」
掌編。やや甘めですが、こういうのもいいですね。
「二人の記憶」
すれ違う記憶を持つ恋人たちの物語。
「バスジャック」
表題作。オチは読めますが、過程が楽しめるから満足です。
「雨降る夜に」
これも掌編。ハートウォーミングな感じ。
「動物園」
動物園を訪れた女性。実は彼女は・・・。
これも変な話ですね。
「送りの夏」
中篇。小学生の少女が主人公というのも珍しいかも。不思議な雰囲気でかつ心温ります。なにやら映画にするとよさそうな感じです。集中、これが一番気に入りました。


うーん、三崎亜記は「奇妙な味」の作品を書く貴重な作家なのかもしれない。そんな気になる作品集でした。