『美亜へ贈る真珠』感想
美亜へ贈る真珠―梶尾真治短篇傑作選 ロマンチック篇 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 梶尾真治
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/07
- メディア: 文庫
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「美亜へ贈る真珠」
非常に美しいラストが印象的な作品。このシーンだけのためにSF的設定を作り上げたのであろうと思われます。
「詩帆が去る夏」
ある意味狂気的な内容でありながらも、その中に切なさが漂う作品。主人公の心のゆれが胸を打ちます。
「梨湖という虚像」
梨湖が恋人を忘れられずに取る行動とは・・・。ネタバレになるのでかけませんが、なかなかインパクトのある過程が描かれています。ある意味、永遠の愛の話ですね。
「玲子の箱宇宙」
集中では少し色の違う作品。ラストシーンを思い浮かべるとかなりシュールです。
「"ヒト"はかつて尼那を……」
『猿の惑星』を意識したような作品。愛をテーマにしてありますが、その他に種族を超えた友情も扱われている作品。
「時尼に関する覚書」
時系列をうまく生かした作品。SF的設定としてはこれが最も面白かったです。
「江里の"時"の時」
究極のすれ違いの物語。ラストがハッピーエンドかアンハッピーエンドかは読む人によって評価が分かれそうです。
個人的には「美亜へ贈る真珠」、「時尼に関する覚書」、「江里の"時"の時」が気に入りました。上質なSF、もしくは切ない話が読みたい人はどうぞ。