『なみだ特捜班におまかせ!』感想

『なみだ研究所へようこそ!』に次ぐシリーズ第2弾。今回は波田煌子が警視庁の特捜班のプロファイラーとして猟奇殺人事件に挑みます。正直、ミステリ的には論証が甘かったり、飛躍しすぎの部分があったりと、あまり感心するところがありません。でもそんなことはどうでもいいのです。台詞に対して地の文で突っ込みを入れるという鯨統一郎お得意のシステムで、軽妙な会話を楽しむことが出来ますし、波田煌子のとぼけたキャラも健在。読んでいて何度笑ったか知れません。やはりこのシリーズはいい! 第3弾もすでに連載が始まっているそうなので、1冊にまとまるのが待ち遠しいです。
ちょっと気になったのは各話ごとに登場人物に関するエピソードが語られるのですが、それが結局なんのためだったのかよくわからないこと。ただ思わせぶりにしたかっただけなのでしょうか。それと、波田煌子が右目から涙を流すときと左目からのときがあること。わざわざ差異があるのは何か意味があるのか、それとも適当なのか。どうもひっかかっています。