『「ゲテ食」大全』感想

「ゲテ食」大全

「ゲテ食」大全

いわゆるゲテモノ食いの本。植物からイヌ、ネコまでとにかく食ってる。レシピつきでいつでも実践できます(笑)。巻頭にはカラーグラビアも。ウサギの頭焼きや揚げフナムシ、ムカデの姿焼きなどの生々しい写真を見ることが出来ます。読み物としても十分面白い。この人、明らかにピントがずれているのです。例えば、ミールワームのタフィー(!)の項では最後に「心のこもった手作りお菓子は、プレゼントにも最適である」とか書いちゃってる。いや、こんなの送ったら嫌がらせとしか思われませんから(笑)。こういったずれた感覚が全編を覆い、なんとも言えない雰囲気をかもし出しているのです。
そして読み所はあとがき。本当はすべて引用したいくらいの内容なのですが、そういうわけにはいかないので一部だけ。イヌ・ネコはウシやブタより賢いから食ってはいけない、という主張に対する反論として


(前略)実際、全てのイヌがブタよりも「頭が良い」かどうかという議論は置くとして、仮にイヌがブタよりも「頭が良かった」としよう。しかし、だからと言って、それが食用として適しているかどうかを判断する根拠となるのだろうか。冷静に考えてみれば、この「頭が良い」動物は食べるべきではないという論理は、「優等なものには生きる資格があるが、劣等なものには生きる資格がない」という、ほとんどナチス的な暴論でしかないということを、イヌ・ネコ食反対論者は自覚すべきである。


なにもナチスまで持ち出さなくてもいいと思いますが(笑)、かっこよすぎです。数が減っているから捕鯨反対、と言っておきながら、数が減っているというのが嘘だとわかると、知能が高い鯨を食べてはいけないとあっさり主張を変えた捕鯨反対論者たちに聞かせてやりたいですね。
ちなみにこんな本よんでますが彬君はゲテモノを食ったことがありません。学園祭でヘビのから揚げを食ったくらいかな。なんか小骨が多くて食いにくかったのを憶えています。